Linn Mori / 「Invisible Vision」 ~国内流通CD版が発売~

03 16, 2016 | Tag,beats,HipHop,2010,HipHop2010,electronic
Linn Mori / 「Invisible Vision」 ~国内流通CD版が発売~


Linn Mori / 「Invisible Vision」 ~国内流通CD版が発売~

日本とドイツで発売されたカセット版が、ドイツの人気ショップ「hhv.de」が選ぶ「Top 100 Instrumental Hip Hop」に選ばれ、iTunes エレクトロニック・アルバム・チャートでは1位を記録。140 カ国で放送されているニュース番組NHK Word「NEWSROOM TOKYO」でも取り上げられ話題となったLinn Moriの2ndアルバム「Invisible Vision」に、エクスクルーシブ・ボーナストラック“Kasumi”を収録した凱旋版 (日本国内流通版) となる【Invisible Vision(+1)】が、本日 (3月16日) から販売開始。

ビートアルバム「Invisible Vision」
主張し過ぎない慎ましい色。それでも独自の文化 (色彩) として世界に誇れる「美」を有している「日本ならではの伝統色」といった印象 (センス) を受けた本作は、葛飾北斎が用いた論理的な構図の取り方に感銘を受けたことから【Invisible Vision】と名付けられ、北斎によって描かれた「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」や、「諸国滝廻り」の一つ「木曾路ノ奥阿弥陀の滝」等、江戸の世俗や風習といった古典的な「和」をテーマに抜群のセンスで変幻自在に纏め上げられた” 短編物語”(ビートアルバム)として、国内外で人気を博す。※アルバムの詳細は過去記事「Linn Mori - Invisible Vision」を。

エクスクルーシブ・ボーナストラック「Kasumi」
大好きなジャズピアニストのレコードから、最も気に入った曲の冒頭部分をサンプリングし、チョップ&フリップして、まずピアノのループが完成したのだという「Kasumi」。その繊細さ故にドラムをあてることにとても苦心したのだそう。そこに曲としての展開を彩るために他の楽器を加える事に。しかし、数え切れないほどのジャズのレコードを漁って合致する音を探しても納得の行く結果は得られぬままに作業は難航。結果、いつしか忘れ去ってしまっていた曲であり、「Invisible Vision」の制作が始まり、ふと思い出し、再び制作にあたった曲だと語ってくれた。

その霞がたなびく先の秘所を目指し、分け入るようなビートは、これまで試行錯誤した痕跡のようでもあり、Linn Mori自身が流麗で物哀しいその音色と表現するピアノループを主とした雰囲気は、作りかけだったまま、忘れ去られていた曲が、完成を待ち侘びたその気持ちを語りかけてくるようで、美しくも物哀しく響く。それは、ピアノループが完成した当時、荒削りではあるものの、大事に作り込みたいと心に決めた彼の思い、ビートメイカーとしての姿勢や努力からの賜物であり、エスクルーシブ・ボーナストラックに相応しい出来栄えだと僕は思う。

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Linn Mori - Invisible Vision

04 27, 2015 | Tag,HipHop,2010,HipHop2010,beats,breakbeats
Linn Mori - Invisible Vision


Linn Mori - Invisible Vision


『BIO』
国内外で目覚ましい活躍を見せているビートメイカーのLinn Moriは、不定期で開催されるビートセッションイベント"EN Tokyo"への参戦や、今現在もその影響力を強めつつあるレーベルDarker Than Waxがおくるアジアのビートメイカーに迫ったコンピレーション【Assembly Point 2】にも参加。2012年にはサウンドクラウドで出会ったラッパー達をフィーチャーした自身初となるアルバム【Midnight Blue】や、台湾のビートメイカーLuviiaとのコラボレーションアルバムとなる【Luvlin】をリリース。

2014年にはアンデルセンの「絵のない絵本」をモチーフに、アジア、アフリカ、ヨーロッパ。密林、海、砂漠。地球、月、宇宙。私たちが生きるこの世界を表現したのだという22 (カセットテープは23) のビートから成るフィジカル・デビュー作【Sail To The Moon】を、rockwell product shop (nujabesのマネージャーやhydeoutのA&Rとして活動し、Uyama Hirotoと新たにレーベルを立ち上げたKoizumi Takumiの主宰するレーベル) と、フランスのレーベルCascadeの2レーベルからリリースしている。

『Invisible Visionについて』
Linn Mori待望の新作は、葛飾北斎が用いた論理的な構図の取り方に感銘を受けたことから【Invisible Vision】と名付けられ、北斎によって描かれた「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」や、「諸国滝廻り」の一つ「木曾路ノ奥阿弥陀の滝」等、江戸の世俗や風習といった古典的な「和」をテーマに抜群のセンスで変幻自在に纏め上げられた16 曲の” 短編物語”(ビートアルバム)。

美的センスや絵心に自信がないので、この例えが正しく伝わるか不安ではあるものの、主張し過ぎない慎ましい色。それでも独自の文化 (色彩) として世界に誇れる「美」を有している「日本ならではの伝統色」といった印象を【Invisible Vision】から受けた。
この印象は、プレスキット (アルバムインフォメーション) を受け取る以前に音源を試聴して実際に感じたことだけど、「葛飾北斎~」というコンセプトを聞いた今でもそのように僕は感じるんだよね。それこそ、そういった美しさ (古典的な「和」) をテーマとして汲んだビートが耳に馴染み、さも流れるように入ってくるような半シームレスに紡がれて行くビートが16曲の"短編物語"を語っているかのようだ。このように短編物語"集"としての完成をみせているのもそのはずで、制作に一年程の時を費やしたのだというこの【Invisible Vision】のボツ曲は○○以上あったとか。

そうした吟味を経て完成した【Invisible Vision】は、前作と同様に日本のレーベルRockwell product shopと、ドイツのレーベルSichtexotからのリリースとなる。Rockwell product shopについては、今回の主役であるLinn Mori他、nujabesのトリビュートアルバムにも名を連ねていたNitsuaや、Substantialのディストリビューションなどもやっているレーベル。一方のSichtexotは快作【Man Of Booom】を残しているMan Of Booomや、そのMan Of BooomのクルーでもあるFigub Brazlevic、Eloquent、Knowsumといった好事家の間で人気の高いアーティストの作品をドイツから発信 (リリース)。これぞヒップホップといったゴールデン・エラの空気感を再現している作品もあれば、そのあたりを幹に×エレクトロニック/エレクトロニカ/アンビエントなんて今時のテイストも混ぜた作品もリリースする懐も持ち合わせている。

『Invisible Visionに収められた"短編物語"』
「諸国滝廻り」の一つ「木曾路ノ奥阿弥陀の滝」を題材とする①-「Amida Waterfall」に、富嶽を眺望するといった印象ももちろん受けたのだけれども、その凪いだ感じから水面に写り込む「逆さ富士」をイメージさせられた②-「Fugaku」の冒頭からしてナルホドねぇ・・・と、アルバムのテーマに納得。実は、けっこうSichtexotからのリリースという背景が気になっていて、この①-「Amida Waterfall」と、クロージング・ナンバー⑯-「Still Life」のビートが90's的で、そういったあたりもSichtexotからもリリースされるという部分に繋がっているのかなぁ?なんて思ったりもする。実際はもっと別な理由やきっかけがあったのだろうけど。

そんな個人的興味はさて置き、続くは面妖なビートメイキングが後引く③-「Bamboo Magic」、酒宴の歌舞で興を添えるといった役割を絡ませてのインタールードだと思われる④-「Geisha」に、これもやはり舞をまって酒席に興を添えるといった役割から、このようなタイトルを冠しているのだと思われるインタールード⑫-「Maiko」は、舞妓 (以前は10~16歳の少女) の可憐さを表したようなジャジーなビート (ピアノ・ヒップホップ系)。なお、ジャジーヒップホップ路線では、海外でも親しまれ、大人気な日本酒がテーマであろう⑨-「Sake」があげられ、このFunky DLライクな洒落たジャジーなビートは大好物かつ決して悪くないものの、折角のSakeなのだからもっと和テイストでも良かったかなぁなんて欲も出ちゃうかな。

④から続く⑤/⑥の2曲は、日本人にとって大変馴染みのある桜をテーマとしており、満開の桜あるいは桜の花びらが舞い散る様を見て美しい、綺麗だと声を洩らす人もいれば、その散り様をどこか寂しく感じる人もいる。そんな別れもあれば出会いもある「春」という季節を表現したのだろうか?とも思う、温かくも切なげなビートが胸を打つ⑤-「Sakura」も、ライトアップされた枝垂れ桜が風に靡く美しい様を表したかのような雅なビートが印象的な⑥-「Weeping Cherry」のどちらも景観に富んでいて実にイイ感じ。これらはどこかしらの桜の名所をイメージしているのだろうか。

⑦-「Odori」は、跳躍運動を主体とする"踊り"のように跳ねるビートや、微かに響く拍子木がいい味 (雰囲気) を出しており、どこか神聖的な印象や"品"を感じさせるものに。「富嶽三十六景」の一つ「神奈川沖浪裏」に着想を得て制作されたのだという白眉の⑩-「The Great Wave」は、前景の寄せては返す豪快な白波をサックスで表現し、後景の控えめな富嶽には慎ましやかなピアノとギターを用いて、揺蕩うドラムを通して荒波に揺れる押送船を表したそうだ。

⑪-「Ryujin」は農業では雨乞い祈願の対象として、漁師からは海神として信仰されることが多い竜神への祈り/神事をビートで執り行うかのようなビートメイキングが印象的。それと、大見得を切って登場する冒頭~和楽器を取り込みながらのビートで傾く⑬-「Kabuki」のこの傾き加減もいい塩梅 (やり過ぎずでちょうどイイ) だし、深く深く・・・竜宮城へと潜る様子を表したようなギターとローファイなノイズ、そして竜宮城へと招かれた浦島太郎の好奇心や、昔話を聞く子供心を表したかのようなドラムで紡がれて行く⑭-「Ryugu-jo」では、同時に空想的な御伽話 (昔話) といった感触も被せているようで面白い。

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Linn Mori - “Sail To The Moon”

01 30, 2014 | Tag,beats,HipHop,2010,HipHop2010,jazzy,instrumentals
Linn Mori - Sail To The Moon


Linn Mori - “Sail To The Moon”

ヒップホップ~エレクトロニカ・ユニットPepil Pew名義での活動やEN Tokyoへの参戦でも知られ、Darker Than Wax × GOODNWSがおくるアジアのビートメーカーに迫ったコンピレーションAssembly Point 2にも#3-“Hindu Maiden”が選曲されている新鋭のビートメーカーLinn Mori

日本発、フランス経由 (仏レーベルCascade Recordsからリリース) 。アンデルセンの「絵のない絵本」をモチーフに、アジア、アフリカ、ヨーロッパ。密林、海、砂漠。地球、月、宇宙。私たちが生きるこの世界を表現したのだという22 (カセットテープは23) のビートから成る彼のフィジカル・デビュー作 【Sail To The Moon】 は、ビートムーブメントの潮流をも捉えた意欲作。

月が語る物語という内容を借りれば、初めて聞く話のどれもこれもに興味を抱き、感動しては目をキラキラさせるような好奇心。そこから芽吹く想像力によって思い描かれる淡い風景や人物だからこそ実物よりも輝いてみえるのかもしれない幻想的な美しさと煌めきを表現したかのような情景的ビートメイキングは流麗の一言。また、全体を覆う清涼感のある艶とメロウなビートが放つ余韻は時として儚かなく聴こえたりもするのだけれども、美麗/メロウでは括り切れないその22の残滓が、結果として聴き終わった後に安息感をもたらしてくれるというのも魅力的。

風や潮の流れに身を任せ漂流しているような開放感、爽快感に揺られる2ndシングル#1-“Sail To The Earth”。前述のコンピAssembly Point 2収録の#3-“Hindu Maiden”。美しさはそのままに90 'sライクな硬質さを醸す#5-“Ballroom”。デリケートなタッチでやんわりとした温もりを放つ#6-“Empty Throne Room”。儚さとエキゾチシズムが交わり、滲んでいく様が美しい#9-“Fleeting Memory”。煙突から一望する景色、その眼下に広がる絶景に心奪われる瞬間の美しさと童心を呼び起こす#15-“Gray Chimneys”。子供にそっとキスをする家族の温もりや微笑ましさ、はたまたひっそりとキスをするシチュエーションに浮き立つそんな初々しさがジャジーなビーツに弾む3rdシングル#17-“Silent Kiss”。妖艶なシルエットを映し、艶かしいモーションを連想させるビートが芳しい#21-“Bornholm Clock”などなど美的感覚をくすぐるビートがズラリ。この美しいビーツに浸り、頭の中に自分だけの絵本を作り上げていけるかのような味わいが醍醐味じゃないかな。

※カセットのみ表題曲“Sail To The Moon”を収録。

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